福岡県八女市の「うなぎの寝床」は、九州筑後地方のものづくりを伝えるアンテナショップで、この地域で作られる工芸品、雑貨、食品といった生活用品を中心に取り扱っています。このうなぎの寝床のオリジナル商品「現代風もんぺ」は久留米絣の織元とともに作った同社オリジナルの商品で、2016年にグッドデザイン賞を受賞しています。
うなぎの寝床の型紙を使い、東京・墨田区の川合染工場(かわいせんこうじょう)でしか作れない「東炊き染(あづまだきぞめ)」の生地で、のしごとが企画したオリジナルのもんぺを作りました。縫製は、うなぎの寝床と同じ工場で行い、現代風もんぺの良いところはそのままです。
1951年創業の「株式会社川合染工場」は、約30年前の最盛期には、イタリアにあるベネトンのセーターを一挙に請け負い、年間で90万枚近くを染色していました。しかし、海外製品に押され10分の1にも満たないまでに縮小しました。しかし、他では実現できない日本らしいハイレベルなものづくりに挑戦し続け、たとえ効率が悪くても良いものに徹底的にこだわったやり方で、染色業界や数多くの有名ブランドから絶大なる信頼を得ています。
川合染工場には、世界でここでしか作ることのできない特別な生地があります。東日本橋にある「小松和テキスタイル」と共同で企画・開発を手がけた「東炊き染」は、江戸時代に行われていた釜入れ技法の染色方法で、新しい機械には出せない昔ながらの染色機を使い、温度や湿度を調整しながら少しずつ丁寧に染色した後、自然乾燥で仕上げています。
人手と手間が膨大にかかり効率は良くない分、優しい発色と自然な柔らかさを最大限に引き出すことができるのはこの技法だからこそ。独特のシワは欠点ではなく、天然繊維が本来持つ生地の膨らみで、他にはないふんわりとした風合いを感じていただけます。
農作業着やリラックスウェアとしてのもんぺと、東炊き染の相性が良いことは、作る前から想像がつきましたが、試作ができ実際に履いてみて、納得の仕上がりになりました。東炊き染は、毎年さまざまな生地で試作が行われ、試験をクリアしたもので80以上の生地が存在します。その中から、自分たちがもんぺにして履きたいと選んだ生地は2つ。コットン100%のものと、リネン100%のもので作りました。どちらもとても気持ちの良い履き心地で、ぜひ体感してみていただきたいです。
農作業着であるもんぺは、作業時に立ったり座ったりした際に、お尻がつっぱらないように、後ろポケットはなく、前に一つだけ。
ウエストにはゴムと紐が入っていて、入れ替えもできます。ゆったり履くならゴムだけで、しっかり履くなら紐で。紐も、もちろん東炊きの生地を使っています。
腰のあたりには、うなぎの寝床の「う」のタグも付いています。後ろは、もちろんうなぎのマークです。
折って七分丈くらいの長さで履くのがおすすめ。特に暖かくなってきたら短くすると涼しく動きやすいです。折るだけじゃなく、裾に入った紐できゅっと絞って膨らみをもたせるのも、もんぺらしさが出て素敵ですよ。
現代風もんぺは、お尻周りはゆったりしているのに対して、膝下が特に細めに作られていることが特徴です。運動をしている方などは、ふくらはぎのあたりがきついという方が多いので、ワンサイズ上を選んでいただくのがおすすめです。
女性・162cm/ブルー・Mサイズ着用
女性・162cm/ライトグレー・Mサイズ着用
S | M | |
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ウエスト | 64〜96cm | 65〜102cm |
ヒップ (ウエストから20cmの高さの寸法) | 106cm | 116cm |
パンツ丈 | 95.5cm | 97cm |
わたり | 61cm | 67cm |
股上 | 31cm | 32cm |
股下 | 64cm | 66cm |
ふくらはぎ (裾から25cmの高さの寸法) | 36cm | 38cm |
裾幅 | 32 | 34 |