のしごとのトップ / 初のクラウドファンディング (伝所鳩のしごと)

初のクラウドファンディング

伝所鳩のしごと

伝所鳩

オンラインストアとウェブメディアという形態で運営してきた「のしごと」。2019年6月中旬に初めての店舗を構えることになりました。

場所は、我々の活動が始まった場所でもある、東京・墨田区。鳩の街通り商店街という90年ほどの歴史を持つ商店街の中にある小さな長屋の二階です。東京大空襲をまぬがれた昔の町並みが未だに残っており、現代と昭和のレトロさが融合した、どこか懐かしい落ち着いた場所です。

きっかけ

千輪 スマートクラッチ

店舗を構えることになったきっかけは、この商店街にあるじてんしゃ雑貨のお店「千輪」の移転でした。「のしごと」では、取材のご縁からオリジナル商品である自転車用のクラッチバック「スマートクラッチ」をオンラインストアで販売させていただいています。

千輪は、自転車が安価になったことで使い捨てられる自転車を見て、使い捨て社会を変えたいとの想いで、自転車本体を売らないちょっと変わった自転車雑貨店として、鳩の街通り商店街のチャレンジスポットである鈴木荘で5年間営業してきました。

徐々にそんな千輪の想いが地域に浸透し、修理を依頼する方が一人、二人と増えてきました。小さな子どもから、学生、主婦、おじいちゃん、おばあちゃんといった幅広い世代の方がお店を訪れ、「千輪がこの商店街にあってよかった」と話す人は少なくありません。

地域に修理の意識が根付き、そしてお店としても修理を依頼してくれる方が増えた。これは、一見するととても順調のように見えます。しかし、小さなお店では困ったことが増えてきました。それは、徐々に修理を待つ自転車や在庫が増えたことで店内は物で溢れ、本来のあるべき姿であった自転車雑貨の販売ができなくなってしまいました。

千輪は、自転車の修理も行いますが、本来は「自転車雑貨店」です。修理店ではなく雑貨店を掲げているのには、雑貨は機能や性能よりも自己表現ができるものだと考え、自転車に新たな意味や価値を創造するお店でありたいという想いから。しかし、それを表現することも伝えることもできなくなってしまっています。

そんな時に、100mほど離れた同じ商店街の中に空き店舗を見つけ、移転を決意します。しかし、家賃や改修費、そして店舗の運営を考えると千輪だけでこの場所を回していくことは難しいこともあり、店舗のプロデュースとして「のしごと」が、そして商品の選定などを石川県能登半島をはじめ、これまでご縁のあったいくつかの地域を食でつなぐ取り組みをしてきた「地域コーディネーター」である仲間とお手伝いさせていただくことになりました。

いつもの「毎日」に
誰かの「まいにち」を届ける

伝所鳩

お店の名前は「伝所鳩(でんしょばと)」と言います。さまざまな地域のことをこの鳩の街通り商店街で伝え、地域と地域が繋がる場になるようにと名付けました。コンセプトは「いつもの”毎日”に誰かの”まいにち”を届ける」。特別な日のものではなく、普段の生活の中で毎日長く使ってもらえるものを取り揃えます。

地域に毎日使うものは違います。知らない土地の商品を使ったり、食材を食べるということはその土地の仕事や習慣を知り、そこの「毎日」の暮らしを知るということです。伝所鳩で誰かの「まいにち」を知ることで、やがて自分の「毎日」になるよう、のしごとが必ず取材をし生産者さんの想いを伝えることができるものだけを扱います。

地域の仕事と暮らしを届ける展示

墨田と筑後の仕事展

「のしごと」では、これまで地域の仕事を伝える展示を、近くにある東向島珈琲店様の一角をお借りし不定期で開催してきましたが、今後は伝所鳩の中で定期的に開催していきます。また、すみだの仕事とも連携し、これまではインターネット上でしか見ることができなかった求人情報を店舗で見れるだけでなく、その会社で作られた商品に触れていただいたり、生産者の方と交流の場を設けることで、募集中の求人と連携した発信を行います。

鳩の街通り商店街の長屋

伝所鳩

お借りした物件は、以前1階で美容室を営まれていた大正時代の終わりに建てられた建物。味わい深い外観は、この場所で歴史を積み重ねてきたことを感じさせてくれます。

この場所を改修し、1階をじてんしゃ雑貨店「千輪」として、そして2階を「伝所鳩」としてスタートします。

伝所鳩

2階の内装は、昔ながらの梁や柱が残っているものの、壁や床、配線など老朽化している部分も多く、そのままで使うことは難しい状態でした。床がきしまないように調整をしたり、柱の補強、頭をぶつけないように、天井の高さをあげたりと大規模な改修工事が必須となりました。

伝所鳩

そんな痛みも激しかったこの物件に決めたポイントの一つが、これまでにリノベーションが何度か施されてはいるものの、昔ながらの建具が残されていたこと。

特に、2階の窓から入る光が綺麗なだけでなく、窓を開けて商店街を見下ろせば、時代の移り変わりを感じることができます。そんなところもこの場所を気に入ったところでした。店舗がオープンすれば、この場所に机と椅子を置き、腰を下ろして商店街を眺めながらゆっくりと商品を選んでいただけるスペースにしようかと考えています。

工事スタート

伝所鳩

改修工事には、「のしごと」が以前からとてもお世話になっていた大工さんにお願いをしました。まずは、工事の計画を細かく打ち合わせ、3月から工事がスタートしました。

工事は、一気に進めてしまうというものではなく、段階的に徐々に進めていくことになりました。これは、スケジュール的な問題もありますが、未確定な部分も多いため、現場で要所要所を一緒に確認しながら決定していけるようにと、余裕を持たせた日程にしていただいています。また、途中で変わっていく様子を大屋さんや、地域の人にも見学にしていただけるよう、見学会も設けました。

伝所鳩

3月のスタートでは、解体工事から。壁を取り除き、そして狭く圧迫感を感じていた天井を抜きました。天井がなくなると一気に解放感が出るだけでなく、古民家ならではの梁が現れました。最終的には天井を塞いでしまいますが、一部梁は見えるように施工していただきます。

伝所鳩

実は、もともと改修工事は、自分たちの手で行おうと当初は考えていました。でも、大工さんに見てもらうと、建物の老朽化でしっかりとした補強工事がいることに加え、電気配線がそのままでは使えず素人だけでは難しいことが判明しました。そうした経緯から、今回はプロの手に委ねることになったのですが、予想以上の費用がかかってしまい、工事の一部費用などが不足しています。そこで、今回はメンバー4人でクラウドファンディングに挑戦することになりました。

集まった資金は、天井や壁、床を直す他、電気の配線工事、展示什器や在庫仕入れ、チラシなどの制作物の費用に使わせていただきいと考えています。

リターンには「のしごと」でもお取り扱いさせていただいている商品などの「モノ」コースと、伝所鳩ができるまでのお話や、町工場見学ツアーといった体験できる「コト」コースをご用意させていただいております。

東日本金属

お話は、伝所鳩のことだけでなく、「のしごと」や「すみだの仕事」について聞きたいという方には、それらのお話もさせていただきます。また、すみだの仕事ではこれまで町工場をご案内するツアーをしたことがありません。これまで100社以上の企業を取材してきた「すみだの仕事」独自の目線で選んだ町工場見学ツアーです。初めてのことなので、満足していただけるか不安もありますが、こちらもとてもワクワクしています。

どうぞ応援よろしくお願いいたします!

【クラウドファンディング】
自分の知らない地域の日常を知れるお店「伝所鳩」を墨田区の商店街で一緒に作りたい!

(2019.05.12)

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