三重県四日市市で萬古焼を作る窯元『株式会社 華月』は、1856年に創業。
江戸時代に始まり164年の歴史を持つ。昭和時代に花器の製造をはじめ、昭和30年代には耐熱陶器を作りはじめる。火にかけて割れない物質ペタライトを見つけ、8年がかりで特許を取得。超耐熱性の土鍋を開発します。
現在は、長年の歴史と伝統を受け継ぎながら、時代のニーズに合わせた新しい商品開発にも力を注ぎ、土鍋をはじめとした蒸し土鍋、陶板などを製造しています。
華月が掲げる経営理念は、品質第一。火にかけても割れない耐熱食器を作るには、土や釉薬といった原材料からこだわり、さらには全ての工程において最高品質が保たれるよう管理が行われています。当然ながら普通の食器を作るよりも手間も技術も必要になります。
土鍋に使われる土や釉薬といった原材料は、華月でオリジナル配合しています。これにより、原材料の産地が変わっても品質を一定に保った土鍋が安定的に生み出すことができます。土鍋の産地である三重県内でもオリジナル配合を行うところは貴重になりつつあります。
土鍋でご飯を炊くと聞くとハードルが高いように思われるかもしれません。普通の土鍋であれば、火加減などご飯を炊くのに手間がかかりますが、土鍋でごはんを炊くことをとても簡単にしてくれるのが「大黒ごはん鍋」です。ごはんの香りと甘みを引き出し、蓋を開けた瞬間から炊飯器で炊くご飯との違いを実感できます。
大黒ごはん鍋は、土鍋の内側にゆっくりと熱が入っていくので、じわじわとお米に火が通りふっくらと炊き上がる。香りが豊かで、粒はしっかりとしていて甘みのあるお米に仕上がる。
さらに炊き上がるまでのスピードと手間いらずな点に注目したい。炊く前に浸水をしておけば、火にかけてから10分、火を止めてから10分蒸らせば完成する。20分あれば炊き立てのごはんが食べらるのだ。そしてもう一点は、火加減の調整がいらない。華月のオリジナル土と釉薬により、鍋内の対流が非常に良く、火加減の調整をせず全てのお米にしっかりと熱が通ります。
また、土鍋は重い印象もありますが、大黒ごはん鍋はギリギリまで薄く、そして土も軽いため、持ち運びのしやすさにも配慮がなされています。使い終わった後、しばらく水に浸しておけば、お米がこびりつかず簡単に落ちるのも驚きです。表面が凸凹していることで、お米と土鍋の間に層ができ、こびりつきにくい仕掛けが施されています。