のしごとのトップ / 「のしごと」をやっている理由 (のしごと)
”のしごと”第二回目のイベント「宮田織物のしごと展」には、毎日たくさんの方が足を運んでくださり、本当にありがたいです。今回の展示は、宮田織物さんのことはもちろん、”のしごと”のことを多くの方が知るきっかけになっていただけているように思います。
”のしごと”を知らずに来られた方もいれば、以前から知っていてこの活動のことを詳しく聞いてみたいと訪れてくれた方もいます。どちらにしても説明させていただく中で、”のしごと”がどういうものなのか、少し分かりにくいし、うまく伝わっていないなと自分たちでも思っています。
なぜこの活動をやっているのか?と問われると、ただ好きだからという気持ちに尽きるかもしれません。助成金やクラウドファンディングなどに頼ることなく、イベントはもちろんサイト制作・運営、取材、商品開発まで、今のところ全てのことを自費で行ってきました。一緒にイベントをさせてもらう企業から費用をいただくことも一切ありません。
宮田織物さんの福岡県筑後市、day un dayさんの長野県松本市とは縁もゆかりもない地域との取り組みだったので、もしかするとどこか怪しいなと半信半疑でお付き合いいただいていた部分もあるかもしれません。よくそんなスタンスで持続していけるのかと聞かれることがありますが、正直難しい部分はたくさんあります。経営的に言えば回っているとは言えず、まだまだ趣味の延長に過ぎないのかもしれません。
でも、イベントに来てくださった方々がこの仕事、人、商品を知り、そして我々の想いに共感していただけるのは、何事にも代えがたいです。だから続けられているんだと思います。
ものづくりの現場は厳しい状況にあります。だから、ものを買ってもらうことも大事ですが、まずは知ってもらうことが何より大事です。宮田織物さんを取材したとき、みなさんが口を揃えて「発信していくことの重要性」を語られていました。経営を担う上の方や、外に出る営業職だけでなく、工場で働く方にもそういう意識があることにとても衝撃を受けました。
良いものを作れば売れる時代はもう終わり、良いものを作ることは当たり前の時代。良いものを知ってもらい、そして届けるところまでを今のものづくり、メーカーには求められていると強く感じます。
我々もたくさんの会社をこれまでに取材させていただいてきました。しかし、自分たちのことを説明するというのは本当に難しいもので、未だに「のしごとってどういう活動ですか?」と問われるとうまく答えられないことが多々あります。だから、自分が作ったもの自分の活動を自分で発信していくのはとても難しいことなので、そんな方々の声を代弁することが我々の役割なんだと思います。