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田舎をおすすめしなかった

のしごと

隅田川

東京から豊岡に戻って一カ月が経ちました。こんなに長く東京を離れてこっちに滞在するのは、二拠点生活を始めてから初。ネットがあるので、向こうの様子も大体は分かっているつもりですが、それでも会社やお店はどうなっているんだろう、知り合いは元気にしているんだろうかと心配になります。

二拠点を始めて一年以上が経過して、徐々に地元にも慣れてきたように思います。人に出会わないのも、夜が暗くて寂しい感じも、お店が少ないのも、なんだかちょっと当たり前のようになってきた気がします。(虫が多いのにはまだぜんぜん慣れませんが)

昔、父が東京へ来た時、夜のネオンを見ながら「こんなに賑やかだったら、そりゃ帰りたくないよな」とぽつりと漏らした言葉が、今でも耳にこびりついて離れません。その時は、豊岡にも魅力はあるし、東京にない良さもあると思っていました。でも、実際戻ってみるとやっぱり都会の方がいいなと思う部分の方が多くて、メディアが移住者が増えていることを伝えたり、田舎暮らしの魅力を語っていることにどこか違和感を感じていました。

しかし、コロナが発生した頃、ぼくは東京にいて、それからこっちに戻ってきたので、コロナが存在する世界で都会も田舎も経験してみて言えるのは、田舎の方が圧倒的にストレスは少ないということ。人に出会う機会がそもそも少ないので、外出を自粛したり、マスクや消毒をしたりといった注意はもちろんしていますが、感染しないだろうかという不安は都会に比べるとほとんどありません。だから、東日本大震災の時のように、今の状況が少し落ち着いた後には、田舎への移住が増えるかもしれません。これまでだったら、田舎暮らしをおすすめしていませんでしたが、今こういう世界になってみて、田舎を少しおすすめできる気がします。

(2020.04.29)

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