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生きる力を身に着ける

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豊岡で生まれ育ったぼくにとって、都会で働くことはすごいことだと思っていました。きっとそんな風に思っている田舎の人は多いのかもしれません。実際、東京で働いていたと言うと驚かれることが多いのですが、ぜんぜんすごくないです。豊岡に戻ってきてそれをなお一層感じます。

何でも揃っている都会に比べ、こっちは不便なことが当然ながら多くあります。だから、ある程度のことは自分たちでできる必要になります。水道が壊れた、トイレがつまった、荷物を運びたい、都会なら電話一本で解決できていたことも、お願いする業者が少ない(ネットで検索しても出てこない)田舎では、自分で解決しなければいけないこともありますし、都会ではありえないようなハチの巣ができた、雑草が生えて困っているといった出来事も次々と起こり、お金を出し簡単に人にお願いできていたことも、自分でなんとかしなければいけないことが多くあります。

都会で働いてた頃は、ほとんどの仕事がデスクワークだったぼくは、ハチを退治することもできなければ、草刈りの仕方すら分かりませんでした。何か問題が起こるたびに近所の方に助けてもらうのですが、田舎の人はとにかく何でも知っている。パソコンで調べれば分かったことも、実践レベルでは役に立たないことが多く、経験値の多い地元の方々には遠く及ばず、簡単なことでもギブアップしてしまう自分に情けなさを感じる場面が多々あります。

豊岡に戻らず、あのまま都会だけで働いていたらこんなことに気づくこともなく、年を取ってしまっていたかもしれないと思うと、ちょっとゾッとします。田舎に住むのは正直大変なことばかりです。でも、きっとその生活は自分を大きくしてくれるように思います。

(2020.09.27)

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