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小さな声に耳を傾ける

イートリート”のしごと”
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ジブリ『となりのトトロ』に出てくるトトロは、子供にしか見ることができない。
公園を歩いて気持ちが良いこと。川遊びをして楽しかったこと。トトロの存在まで感じてしまうような幼い頃の繊細な感覚は、大人になるにつれて気づかないうちに薄れてしまっています。

昔に比べて働き方や生活の仕方は多様になり、自由に選ぶことができるようになった一方で、自分で生活リズムを保てなかったり、忙しい毎日に追われいつの間にか体調を崩してしまう。誰にも相談できない慢性的な痛みや悩みを抱え、不安な日々を過ごしている方は多いのかもしれません。

体の調子が悪くなってから病院に行くのではなく、自分の体の状態を知り『食事』や『生活習慣』を見つめ直し、季節の変わり目や環境の変化、心身のバランスを保つことで、日々の不調を予防したり、改善することができます。

世の中には数多くの健康法がありますが、変わらず昔から語り継がれていることに解決の糸口があり、アーユルヴェーダは、誰もが昔から知っていること、感じていることを思い出す、古くから変わらないおばあちゃんの知恵のような一面もあります。

アーユルヴェーダとは

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アーユルヴェーダは、インド・スリランカで生まれた5000年以上の歴史を持つ世界最古の伝統医学です。世界三大医学の一つであり、WHOでは代替医療として認められ、アメリカやインドではアーユルヴェーダの専門治療院を開業しているところも多くあります。

また、専門的な治療だけでなく実践的な生活健康法として、症状を取り除くことを目的とする西洋医学とは異なり、より健康に長寿や若さを保つことを目的とした予防医学であることが特徴です。食事の仕方や健康対策といった日常生活に関わるものから、生命自体を科学する医学で、生きていくための哲学ともいえます。

このアーユルヴェーダで地域の方々の日々の不調や悩みと向き合い、食事や生活習慣の改善を提案をしているのが『イートリート』です。

イートリートのしごと

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イートリートの小林静香さんは、東京生まれ。父親の転勤で東京、埼玉、千葉、そしてロンドンを転々とし、社会人となってからも引っ越しの多い生活を送っていた。小林さんがどのような人生をこれまで歩み、そしてイートリートを立ち上げるに至ったか、詳しくお話を伺ってみました。

小林さんは大学を卒業後、最初に選んだのがテレビ局。文化や芸術が身近にある自分が理想とするまちづくりに携わりたいとの想いで入社し、イベント事業局に在籍してオペラやバレエ、サーカスのジャパンツアーなどを担当。

しかし、ハードな仕事に、徐々に心と体のバランスが崩れていきました。

「大音量の中に毎日いたので、突発性難聴で耳が聞こえなくなってしまいました。それが怖いとか辛いというよりも、原因がないといわれた時に、自分の体なのに理由が分からない病気があることが不思議で、食養生の勉強をはじめました。中医学の薬膳など食べ物で体を整える知恵を学びながら、ちょうどその頃友達と遊び程度ですがケータリングをはじめて、誰かと食べる喜びそのものが人を健康にすることに関心を抱きました。そして、食の世界で生きていこうということだけ決めて、お世話になった会社を辞めました」

テレビ局を辞めた小林さんは、縁あって全く経験のなかった飲食店の世界へ飛び込むことに。そして、このお店で働いた経験こそが、今の活動の原点へと繋がります。

「何も経験のない状態で弟子入りするのは、とてつもない度胸だったな…と思うくらい素晴らしいお店でした。仕事自体はもちろん厳しく、言葉にならないくらい大変でしたが、この頃は後先考えずにまずやってみる時代でした。でも、シェフにも可愛がってもらい、今となってはすべてのベースがここにある、と分かるほどの経験をさせてもらいました。ほとんど怒られてたんですけど(笑)」

「本当に素晴らしいエネルギーに溢れたお店で、この頃から漠然と、例えば栄養の教科書に書いてある通りのものを揃えて食べることが健康じゃない気がしていて、人と食卓を囲む楽しみ、目で感じる料理の美しさ、作る人のエネルギー、いろんな要素をひっくるめて食養生ということが分かりました」

このお店で多くの経験を積み、次に選んだ場所は食の企画を行うコンサル会社。ここで食品会社や行政の食関連の受託事業に携わります。

「コンサルタントとして、かつおぶしの老舗企業がだし文化を後世に残すためにどんなプロモーションをしたらいいか、地域に伝わる伝統の食卓をどういう風に未来に残すか一緒に考えるということをしていました。コンサルティングの基本は、話を聞いて相手に解決する術を見つけてもらうことなので、そこは今のカウンセリングと通じてます」

そうして、2018年7月に独立を決めます。何かきっかけがあったのでしょうか?

「もともと、個人の健康に焦点を絞った仕事がしたい、おばあちゃんになるまでやり続けたいと思える仕事をしたいと感じていて。アーユルヴェーダに出会い、会社勤めからは自然と心が離れ、しばらくやめていたケータリングの仕事も信頼している人からの一押しで再開したりと、今だ!という流れを感じたことが理由です」

おばあちゃんになるまで続けられる仕事

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独立後は、インドのアーユルヴェーダスクールと提携している日本の学校でみっちり勉強をしつつ、地道に活動の種を蒔いていくと、ここでも不思議なご縁に背中を押されることになります。

「町田の保育園で、昔ケータリングをさせてもらったこともあるんですが、園長先生がとても印象深い方でした。なんとなくずっと心に残っていて、昨年の夏ひょんなことから再会し、イベントへの出店をお声がけいただいたことがきっかけで、しばらくやめていた『自分で料理を出す』ということを再開しました」

それをきっかけに再び始めたケータリングは、以前とは少し手法を変え、個人のカウンセリングやワークショップを取り入れ、さらにひとりひとりに合った丁寧な提案ができるスタンスになっていきます。

「アーユルヴェーダを通じて世の中でどんな仕事を作るか、まだやりながら考えている感じです。自分自身がアーユルヴェーダのプラクティショナーとして学び続けるために、『イートリート』の仕事を作ったといっても過言ではありません」

イートリートには、どのような意味が込められているのでしょうか?

「食べて『リトリート』する、食べ物と自分の体のバランスを取るという意味です。アーユルヴェーダを理解するには、まず人間が自然の一部だということを受け入れることが前提です。自然環境と同じエネルギーが自分に流れていると分かれば、季節を感じ、旬のものを食べて、常に揺らいでいる体と心のバランスをうまく調整できるようになります」

「食は意外なほど健康と関係していて、今は食べ物の選択肢がたくさんあり、何を食べるか決めるときに欲求が先に立つけれど、時々立ち止まって、今日は自分の体に何が必要かを考えて食べるだけでも改善できることがあります」

四季のある日本には、旬の食べ物があります。アーユルヴェーダは自然の一部で、自然と共生していく気持ちが強い日本人も理解しやすい考え方で、寒くなる前には温かいものを食べるなど、季節を感じ生活に取り入れていくこと大事なんだそうです。

「今は昔の暮らしとは違い、人間の体が長い歴史の中で代謝に慣れていないもの、例えば日本人であれば小麦粉、カフェイン、精製された食品などを摂取し、毎日老廃物として消化している気になっていても、代謝しきれずに体の中に蓄積しているとアーユルヴェーダではいっています」

「アーユルヴェーダの基本は、良い食事、良い睡眠、適度な性行為が必要で、特に食事は意識的に口の中に入れてわざわざ消化する工事のような行為です。食べたもの摂ったものを、ちゃんと消化し栄養にして体の要素として構築できてるか。精神的なことや呼吸も同じで、取り入れた風をちゃんと出してあげたり、取り入れた気持ちをリリースできてるかが、とても大事です」

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日本でもアーユルヴェーダは広まっているのでしょうか?

「スパイスブームもあり、関心を持つ人は増えています。ただ、オイルマッサージのようなトリートメントのイメージが強く、体系的な医学であるということや、セルフケアの基礎としても活用できるという要素を理解してる方はまだ多くないと思います」

「アーユルヴェーダでは、心と肉体、魂の三つのバランスを重視していますが、心と体の健康、どちらが先か、どちらがあとか、カウンセリングをしていて迷うことはあります。でも、どちらがということはなく、始まりも終わりもない円のようなことで、やはり心の状態までケアしないといくら外側からケアしても真の健康は得づらいのかなぁと。そこを重視するアーユルヴェーダは、これから日本人にとっても必要とされるものになると思います」

広まっている背景には、慢性的な悩みを抱える人が多くなっているということでしょうか。

「今は体に少しずつ訪れる痛みや熱に鈍感で、漠然と続く不調に苦しんでいる方は多いと思います。昔の人は、子供も大人も自分で治す知恵を比較的知っていたように思います。それは自然の良い面と悪い面が今よりもそばにあって、自然と感じることができたから。アーユルヴェーダといわゆる自然療法は異なりますが、環境を理解し予防をするところは共通しています」

「それに、自然環境は何も変わっていません。普段歩く街並みにも自然はあるのに、変わったのは人間が自然から置いた距離の幅。そこを縮めれば、もともと知っていたことだから、思い出すことは容易です。アーユルヴェーダは、最近発明された健康法ではなく、長い歴史の中で伝承されてきた大きな物語のようなもので、忘れてしまいがちな都会の暮らしの中でも、『既にそこにあるもの』を思い出す行為なんです」

治すではなく、意識を変えて予防する

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イートリートが行うカウンセリングは、このアーユルヴェーダをもとにし、個人個人のパーソナルな食と生活習慣に向き合い、クライアントの『体の観察』のサポートをした上で、食べ物を中心としたアドバイスをしています。

アーユルヴェーダが今も生活に根付いているインドのケララなどでは、生活習慣病は基本的にはアーユルヴェーダで治すことができ、リウマチや糖尿病など病気ごとにアプローチをして、食べられるものそれ自体を薬として使用します。ただ、日本では物理的に難しいため、カウンセリングでまずは普段の暮らしから改善する糸口を探すことを、イートリートは目的としています。

カウンセリングは、どのくらいの期間をかけて行うのでしょうか?

「90分のカウンセリングを三回まで行います。みなさん忙しくて一気に回復する方はほとんどいませんが、それは問題ではありません。人はリズムが揃ってない不安定な状態にバランスを崩しがちなので、まずはその状態を客観的に観察し、できることからサイクルを変え、おろそかにしがちな自分自身を大切にしてあげようと勇気を持つことが大切です」

「私は改善がすべてじゃないと思うので、同じ間違いをした時に軌道修正しやすくなるよう、体や心の悩みがなぜ起こったのか、原因を分かりやすく伝えることに注力しています。やみくもに病院に行き薬で抑え込むのではなく、なぜ頭が痛くなったかを立ち止まって考えられるよう、絡まってた糸を解くようにサポートすることで、少しずつ自分で予防できる人を増やしたいです。三回で完全に回復しなくても、長い人生の中であの時あの小林さんが、あんなこといってたなぁと思い出し、軌道修正のきっかけになればそれでいいです」

一緒に考えるサロン

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現在イートリートは、渋谷のヨガスタジオと青山のカフェで定期的にカウンセリングルームを開いています。それ以外にも、個人の都合に合わせた場所で開催する他に、期間限定のポップアップストアといった形でも行い、いつかはご自身でサロンを構えることを目指しています。

どのような方に受けてもらいたいですか?

「アーユルヴェーダは誰もが必要として良いものですが、基本的には健康な人の健康な状態を守るためのもので、病気を治療中の方よりは、毎日を健やかに暮らしているけど、なんとなく気になる不調がある人に来てもらいたいです」

「私はイートリートを、平和のために行っています。波紋のない静かな湖のそばに立つと誰もが穏やかな気持ちになるように、一人の健康はその人の平和を守り、周囲の人の平和も守ります。世の中が優しい気持ちに溢れた人が増えてほしいので、一緒に平和な世の中づくりをするような気持ちで来てください」

死はどうしてもマイナスに思われがちです。しかし、誰にも必ず訪れる死と前向きに向き合うことで、最後の時だけでなく次の人生にも良い影響を与えられるといいます。

「アーユルヴェーダ自体は、生きることそのものを考える学問です。だから私より年配の先輩方とも話をしてみたいです。人生を気持ち良くしまうことは、次の幸せな人生に繋がります。病気で起こる痛みがあっても、人生に必要なものだと受け入れ、良い人生だったと言葉にして死を迎えることも人を幸せにすると感じています。私はまだ若輩者なので、今時点での考え方にすぎないですが、そうした人生のしまい方に付き合えるカウンセラーになりたいです」

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「癌のような病気も、地球外から突然降ってきた隕石のようなものではなく、あくまで自分自身が蓄積したものが原因となって生まれた病気です。ですが、難病の本質と向き合う機会は少なく、痛みが現れてからその痛みを抑えることを目的とした治療が未だに主流です」

「治ることがない病気と診断された時に、自分の生き方や命との向き合い方を知っていたら、複雑な病気の治療に対して、患者側が能動的に選択することもできるようになるかもしれません。アーユルヴェーダは、年齢を重ねてどうしても病気が現れやすい高齢の時代にも寄り添える哲学です」

カウンセリングを受けるにあたり、必要なものや心構えはありますか?

「相談事項を三つお聞きするので、それを考えてきてください。日々の不調、便秘や下痢、お腹の症状は一番大事なので、ぜひ相談してほしいです。胃腸の消化を整えるだけで、いろんなことが改善します。そして、お話の中でもっと深い問題や根っこになるものが見つかったりもするので、それ以外はその場で考えてくれたら大丈夫です」

「解決手段というよりは改善するきっかけを私は伝えるだけで、あとは本人がやらないと何も良くならないので、できれば自分で気づいてもらうように話をしたいです。『正解を教えてもらえるサロン』ではなく『一緒に考えるサロン』にしていきたいです」

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そっと寄り添うようにこちらの話に耳を傾けてくれる小林さん。ついついその時間が心地良く、話しすぎてしまう。

イートリートは、答えを一方的に押し付けることをしなければ、病院で処方される薬のようにすぐに効果があるものでもない。でも、話を聞いてもらえるだけで心は安らぎ、そしてひとりひとりに合った無理のない改善は『頑張ろう』『やってみよう』、不思議とそんな気持ちを湧き上がらせてくれます。

ほんのわずかな体の悩みでも、改善をしたいと思っている方は、小林さんを訪ねてみてください。

\期間限定カウンセリングルームがオープン!/

EatreatPOPUP at 東向島珈琲店

イートリートのカウンセリングルームが期間限定でオープンします。期間中、カウンセリングはもちろん、東向島珈琲店とイートリートがコラボした限定メニューが登場。さらに、オリジナルスパイスブレンドティーもお買い求めいただけます。

・イベント概要
場所:東向島珈琲店(東京都墨田区東向島1-34-7)
期間:8月25日(土)~8月27日(月)

・カウンセリング(要予約、先着順)
参加費:5,000円(アドバイスシート、お土産のホームメイドギー付き)
時間:10:00~11:30 / 12:00~13:30 / 14:00~15:30 / 16:00~17:30

カウンセリングのお申込みはこちら

(2018.08.24)

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